学校と、ホームスクールと

初めての子育て。誰も教えてくれないけど大切なこと。人と比べず情報に翻弄されず。経験をシェアすることで誰かの役に立つといいな。

言うことを聞かない子ども

子どもが悪いことをしない様に、目を離した隙に重大な事故が起きない様に、周りの人から白い目で見られない様に。子どもを何とか言う事を聞かせておとなしくさせたい。そう思う事は普通なのかもしれない。

でも子どもってそんなに簡単にコントロールは出来ません。だって子どもも一人の人間だから。コンピューターゲームの中のキャラクターをコントロールする様に子どもをコントロールしている人がいるとしたら、それは虐待だよね。

 

コントロールや支配って言葉を使うととても強い意味として聞こえるから、「そんなことする訳がない」と思うかもしれないけど、大人の殺し文句「言う事を聞きなさい!」ってのは、つまり「私が言ったことを聞いてその通りにしなさい」ってことだよね。それはやっぱり子どもをある程度支配下に置いておきたい、ってところから来てたりするんじゃないかな。普段から小さい事にあれこれ口出しして、あれしなさい、これしなさい、あれはしちゃだめ、これもしちゃだめ、、これも一種のコントロールだと私は思う。子どもが親の言うことを全然聞かないなんて、親として恥ずかしいと思ったり、親に歯向かうなんてとんでもない!と思ったりね。

ところが、子どもはこっちがコントロールしようとすればする程、逆のことをしたがる性質を持ってたりする。そうすると、「やめなさい!」と言ってもやめない。そして最悪なケースとしては、親が見ていないところでやっちゃいけないことをやったりするようになる。そうなると、表面上は言うことを聞いてるように見えるけど、実際には全く聞いてないってことになる。親子関係が上手く築けていない結果かもしれない。

 

じゃあ、どうしたらいいの?と考えてみた。答えは、コントロールなんて出来るわけないし、しようとすること自体が間違ってる。子どもが行動するには理由があって、それを親の独断で「だめ!」とどうして言えるだろう。

例えば、子供が興味の向くままにティッシュを全部出そうとする。自分が先に使ってたおもちゃを、目を離した隙に他の子に持って行かれてしまったからそのおもちゃを取り返した。小さい子が自分の真似ばかりしてきて鬱陶しいから、部屋に入って鍵をかけた。そんな子供の行動を見て「どうしてそんなことするの!だめでしょ!」と怒るかもしれない。でも子供にも子供の理由があって、そこを無視して一方的に怒るのはやっぱり相手に自分の言うことを聞かせたいからかもしれない。

子供としては、このティッシュの箱にはどれだけのティッシュが入ってるの?とか、自分が先に使ってたおもちゃを先に向こうが取ったのにどうして自分だけ怒られるの?と思ったかもしれない。小さい子に邪魔されない自分だけの空間が欲しかっただけかもしれない。

 

そこにはいつも子供なりの理由があるはず。それを聞いてあげて、初めてアドバイスしたり一緒に解決策を考えたりすることが出来る。そして、自分の理由を聞いてもらうって事実が子どもにとってもすごく大事なことで、だからこそその後のアドバイスを素直に聞き入れられる。

こんなやり取りの繰り返しが積み重なると、子供は親のお願いを素直に聞いてくれるようになるんじゃないかな。小さい事には口出しせず、どうしてもの時だけ子供にお願いする。もちろん、ちゃんと理由を説明して。理由をその都度説明することによって、そのうち言われなくても自分の頭で考えて判断が出来るようになる。

それこそが親として子供に身に着けて欲しい大切なことなはず。

「自分の頭で考えて、自分で判断する」

これは日本の教育でとても欠落している部分だと思う。学校でも家庭でも、大人の言われた通りにだけ行動しているうちに、自分の頭で考えることが出来ないまま大人になってしまう。とても怖い事だと思う。一見、天真爛漫に見えるけど、大人やその他大きな存在にコントロールされていることに気付いてさえいない。

 

怒って言うことを聞かせるのは手っ取り早いかもしれないけど、それは何の解決にもならない上、後々に大変な結果を招くことになる。出来る限りの範囲で子供を自由にさせてあげることが、お互い尊重し合う関係を作る近道なのかもしれない。