私たちが住んでいるのは日本でも屈指のスキーリゾート。マリ君はもちろん仕事柄バックカントリーや雪崩講習会で、圧雪されていない雪山へ入る機会も多い。私の友人の数多くもまた、同じように危険が潜む雪山へ出向く者も多い。
雪崩事故のニュースを見るたびに、自然の恐ろしさに再度気付かされる。どんなに知識があっても、どんなに準備していても、雪崩が起こる時は起こるし、襲ってくる雪から逃れられない時もある。自然とはそう言うものだ。
私の友人の一人もまた、雪崩に巻き込まれ低酸素脳症になり未だに入院生活を余儀なくされている。去年はプロのスノーボーダーが川へ転落し命を落とした。東北大震災が起こった年は、たまたまその日に雪山へバックカントリーに出掛けていたプロのガイド3人が、予期せぬ地震の結果雪崩が起こり、尊い命を落とした。
雪山へ入るのは自己責任。そう皆が自覚してはいるものの、やっぱりその恐ろしさは雪崩を経験したことがある人にしか分からないだろう。
今回の事故は、ましてや山岳部の生徒。雪崩が起こってしまったのは誰の責任でもない。それでも、先生たちはきっと自分たちの判断を責めるだろうし、親たちもまた行き場のない気持ちに、防ぐことができた事故なのでは、と思ってしまうかもしれない。
ただ、本当に何の罪もない8人の生徒たちの命が奪われることとなった今回の事故。ここから私たちは多くのことを学ばなければならないと思うし、もう二度と同じような事故を繰り返してはいけない。
これから雪山へ入ることがある人も、入ってみたいと思っている人も、本当に心得て欲しい。自然の中では誰も私たちを守ってくれないということ。自分の身は自分で守らなければいけないということ。
雪崩の危険性を十分に理解し、なおかつ雪崩が発生した時の対処法を学んだ上で雪山へ入る覚悟が必要であると思う。