まさか、北海道でこんな問題に出会うとは思ってなかった。それは、稚内から少し南下した豊富町と言う場所。
酪農が盛んで、のどかな原野がどこまでも続く様な町。ここには縁あって三泊した。そこで見かけた大きな黄色い看板には太い字で「核のゴミ拒否」と書かれていた。「ん?核のゴミ???」と思いつつ車で通り過ぎた事を覚えている。
そして、その真相を後に出会うパパさんに教えてもらった。
原子力発電を使用する限り排出され続ける核のゴミ。ゴミとは言えど、近づくと数分で人が死んでしまうくらい危険なもの。だから、地下300メートルよりも深い場所に埋める必要がある。そして、そのゴミが無害になるまで10万年もの月日がかかるという。何とも気が遠くなる様な年月。大体、10万年後の世界がどうなってるのかさえ想像がつかないのに、一体どうやってそんな危険な物を管理するんだろう?
世界では約30カ国で原子力発電が使用されている。そして、その中で核のゴミ処分場を建設している国はフィンランドだけ。
これってどーゆーこと?じゃあ他のゴミはどうするの?と言うか、今までどうしてたの?と普通は思うよね。
更に、日本では、この最終処分場がまだ決まっていない。そりゃあ、どこの自治体だって、こんな危険なゴミを引き受けたくないに決まってる。そこで、20年もの昔に手を挙げたのが、豊富町の隣に位置する幌延町だったらしい。
日本は地震大国。どんなに厳重に埋めたとしても、果たして日本には核のゴミを埋めても大丈夫な程の安全な場所なんてあるのだろうか?ましてや、10万年もの長い間。
ちなみに、最終処分場の自治体まで決まっているのは、スウェーデンとフランスだけらしい。どっちにしても、核のゴミが溢れる一方な状態に変わりはない。
私たちは、自分の手で処分も出来ない物を作り出し、その事実に気付きながらも、なお使い続けている。
この問題を、もっと多くの人が自分ごとと捉え、問題に向き合う必要があると思うし、もちろん、国はもっと真剣に問題解決に取り組むべきだと思った。
*核のゴミについて、分かりやすく説明されているNHKの記事を見つけたので、興味がある人はぜひ、読んでみてね!
https://www3.nhk.or.jp/news/special/news_seminar/jiji/jiji87/