学校と、ホームスクールと

初めての子育て。誰も教えてくれないけど大切なこと。人と比べず情報に翻弄されず。経験をシェアすることで誰かの役に立つといいな。

雪国の学校ならではの体育

クリスマスまでは、週4日で登校していた我が子達。冬休みが明けてからは週3日に減らし、更に2時間目から登校しています。 

 

冬の間隣の村のスキー場近くに住んでいるので、観光客用のバスに乗って学校近くのバス停までく。いつもは帰りは迎えに行くのだけど、今日は初めて帰りもバスに乗ってもらうことに。無事に乗れると良いんだけど。

 

学校の体育の授業では校庭でやるクロスカントリースキーが始まった。メイはクロスカントリーの靴の用意が間に合わず、体育を見学していた。クロスカントリースキーが嫌いなメイは、やらなくて良いので喜んでいたけど、今日はキキの靴にインソールを入れて持たせたので、体育でやれると良いな〜と、密かに願う母。

 

雪国の学校では、体育の授業がクロスカントリースキーになったり、スキーが1回にスキー記録回が1回あったり、なんなら、スキージャンプまである。スキージャンプは、今年は雪不足のため中止になったんだけど。来月はクロスカントリースキー遠足なるものもあったりする。

関東で生まれ育った私からしたら、何とも羨ましい経験。周りの同級生達を見ても、週末はスキーやスノーボードの習い事があって、ナイターで滑っている子もいる。本格的にフリースタイルをやっている子は、ジャンプしたり回転したりと、大人顔負けの滑りを見せてくれる。

こーゆー地域から、将来オリンピック選手が生まれるんだろうな、と思う。


f:id:freemyself:20240130092613j:image

我が子達は、学校以外のスキー教室には行かず、ひたすら家族か友達と滑っている。こんな地域だからこそ、親にスキーやスノボをやらされている子も少なくない。でも、折角滑るなら、絶対に楽しい方が良いよね。何でも、「楽しい」って気持ちは、絶対に奪いたくないもの。

オリンピック選手になるのを目指すのは、親ではなく本人であって欲しいものです。

 

何はともあれ、メイは今日、今年初のクロスカントリースキーをやって帰ってくるのでしょうか〜?

手作りクリスマスカード

先月のことだけど、子ども達がとっても素敵なクリスマスカードを作ったよ!

いつも行く図書館で、たまたま目に止まったクリスマスカードのクラフトの本。子ども達も興味津々だったので借りることに。

 

季節ごとの手作りカードの作り方が載っていて、見てるだけでも可愛い♡その中から、クリスマスのカードを選んで早速作ってみる事に!

 

材料は家にあった画用紙や折り紙で作ったよ。

f:id:freemyself:20240121133747j:image

メイは私が手伝ってあげならがら、なぞったり切ったり貼ったり。キキはそれを見ながらほぼ一人で作りました😊

途中、うまく出来ないー😣と言いながらも、何とか完成!


f:id:freemyself:20240121133743j:image

 

2種類のとっても可愛らしいクリスマスカードが完成したよー♡

1枚は私の両親へ、1枚はフランスの義理の両親へ。

 

クラフトって楽しいけど、完成した作品をどうするかいつも困るので、メッセージカードはとても良いアイディア!自分で作った物で、誰かが喜ぶのもまた嬉しいもの。

そんな訳で、図書館で借りた本はキキの誕生日プレゼントに買う事にしました❤️

手作りのかわいいグリーティングカード 

 

 

おばあちゃんの他界

今年も家族でお世話になっている、スキー場のレストラン。

シーズンインする前の11月、レストランのおじいちゃんとおばあちゃんに、今年もよろしくお願いしますと挨拶しに行った。一年半ぶりの再会。おじいちゃんは、先シーズンの除雪中に、除雪車に轢かれ右足を引きずっていた。おばあちゃんは、2023年の1月に、余命数ヶ月と言われたとは思えないくらい元気で、私たちにコーヒーとお茶菓子を出してくれた。

 

いつもにこにこ笑顔のおばあちゃんの容体が急変したのはそれから間もなく。11月末には腹水が5ℓほど溜まってしまい抜くことになったらしい。

私たちが12月21日にレストランへ引っ越してからは、一度も顔を合わせる事は無かった。もう1人では起き上がれないくらい容体が悪くなっていた。

 

12月26日頃に入院が決まり、それからは吐き気を抑える為のモルヒネを使ったことで、意思疎通が難しくなったと聞いた。

年明けから数日、病院から連絡があり、おばあちゃんの家族が呼ばれた。レストランは急遽午後お休みする事になった。おばあちゃんは何とか持ち直したが、危篤状態が続いていた。

 

そして一昨日の明け方、おばあちゃんの義理の娘である、私の友達から連絡を受け、おばあちゃんが亡くなったことを知った。

その日の夜、痛みから解放されたおばあちゃんに会いに行った。

すっかり痩せ細ってしまった身体。眠った様に目を閉じた安らかな顔。浮腫んでツヤツヤになった手にそっと触れた。

いつも優しかったおばあちゃんの笑顔が脳裏に浮かび、涙が溢れ出た。

もうあの笑顔は見られない。優しかったおばあちゃんには、もう会えない。

 

昨日の納棺の時に、私たちも立ち合わせてもらった。棺の中のおばあちゃんの周りに、お花を添えて行く。これで、本当にお別れ。とめどなく溢れる涙。

 

さようなら、おばあちゃん。本当に本当に、私たちに良くしてくれてありがとう。子ども達に本当の孫の様に接してくれてありがとう。いつも笑顔のおばあちゃんが大好きでした。

 

f:id:freemyself:20240114165849j:image

子ども達、新幹線で実家へ

今日はいよいよ大晦日。1年の最後の日とは思えないくらい、普通の1日を過ごした私。

 

子ども達は、一昨日から2人で新幹線に乗り、首都圏内にある私の実家へ行っている。2人で新幹線に乗り始めて今年で3年目。今年も駅まで車で送り、ホームまで一緒に行って、席に座るのを見送った。そろそろ、地元からバスに乗り、駅で新幹線に乗る日も近いのでは!?なんて思ったり。

 

キキはとってもしっかり者。メイもやる時はやる子だから、ケータイさえ持たせればいけるんじゃないかな〜。来年は6年生と4年生だしね❤️

 

そんな訳で、ここのところ毎年恒例になっている子ども達のいない大晦日&お正月。去年はフランスでの初めての年越しだったけど!

今年は2人で友人宅に招待されているので、そこでのんびり年を越すかな〜😊もしくは、お酒飲みすぎて大騒ぎの年越しになるのか!?

 

今年はいろいろと変化の年でした。私も子ども達も。ブログに書きたいことはいっぱいあるのに、いつもの事ながらなかなか記事にできない。。

 

それでも、来年も引き続きブログを続けて行きますので、どうぞよろしくお願いします😋

f:id:freemyself:20231231182422j:image

2点と100点

先日はメイがテストを持って帰って来た話を書きましたが、今日はキキのテストのお話。

 

今まで、毎日学校へ通うことがなかったので、テストを受ける機会もあまり無かった2人。ここへ来て、テストが続いております。

そんな訳で、昨日はキキがテストを持って帰って来ました。

 

結果、国語(漢字)2点、算数100点🤣この結果の差、ちょっと笑っちゃう。テスト2点てなかなか見ない数字😂からの、100点って!

確かに、算数の宿題、毎日頑張ってたな〜🥺努力が報われた結果だね。

f:id:freemyself:20231122112748j:image

 

それにしても漢字が2点、これはどうしたもんか...。でも本人は、「1個だけ書けたんだよ!」と嬉しそうだったので、「それは良かったね〜」と返した私😅

漢字ばっかりは、教える訳でもなく、本人が覚えるしかないからなー🤔

 

漢字の良い覚え方があれば、是非どなたか教えて下さーい🙏❤️

初めての〇〇

子ども達、日本の学校へ毎日通うのは、彼女達の人生で初めて。キキ小5•メイ小3の二学期にして、初めてのこと尽くし。

嬉しいことも、嫌なことも。

 

初めてのマラソン大会!

復学後すぐに行われたマラソン大会。最初は「走るのヤダ!!」「マラソン大会休む!」と騒いでいたけど、「早く走らなくても良いし、順位とかは関係ないんだよ。自分のベストを尽くして、参加する事に意味があるとママは思う。」と伝えて、出るか出ないかは本人に任せていたところ、2人とも無事に完走しました!初めてマリくんと2人、マラソン大会を応援しに行った日。

 

初めての授業参観!

キキは低学年の頃に行った様な気もするけど、メイの授業参観は初めて。まさに、幼稚園以来。お友達と和気あいあい、仲良くやってました。たまたま実家の両親が来ていたので、じーじとばーばにも来てもらえて嬉しそうでした😊

 

初めてのテスト!

メイが学校から初めてのテストをもって帰って来た!結果、算数28点、理科90点。母、感動😭学校行き始めてたった1ヶ月、それからのこの点数は努力の賜物です。メイ頑張りました✨

 

初めての揚げパン!

「ママ、今日の給食めっちゃ美味しかったよ!揚げてあるパンに、砂糖がついてるヤツ!!」と盛り上がるキキとメイ。「それって揚げパンのこと?」「そう、それそれ!!」そうか、2人とも揚げパン食べるの初めてなんだ。大きくなって、思い出の給食について語る時に必ず出てくる揚げパン。これで、友達とも思い出の共有が出来るね〜😋

 

そんなわけで、小3と小5にして、毎日の様に初めての経験に一喜一憂している2人。見ていてとても面白い。絵の具•習字道具•裁縫セット、嬉しそうにそれらを持って行く姿は何とも微笑ましい。そして一通り揃えておいて良かった〜!

 

初めての事にワクワク出来るのは、嬉しいことだね。

家族会議の結果、冬休みまでは週4日で学校へ通うことに決定。1ヶ月ちょっと伸びた学校ライフ。

楽しく通えるなら、体育休んでもいっか、宿題やらなくてもいっか、と思ってる。どうしても嫌なことは何とか避けつつ、学校に行くのが苦痛にならない様に、ね😊

 

f:id:freemyself:20231120090503j:image

 

学校との狭間

帰国後、学校へ行き始めて早1カ月が経たった。1カ月が経過してみて、正直私は「このまま学校に通えるなら通った方が良いんじゃないか?」と言う気持ちが日に日に増していた。と言うのは特に、友達との関係が深まっていく様子を見たり、また漢字を急速に覚えている様子を見た時にそう感じた。

その他、習字や水彩画をやったり、クラブで調理実習をやったり理科で実験をしたり。それは家でやりたいと思っていてもなかなか出来ていない事だったりする。

 

それと同時に、子ども達の言葉遣いや振る舞いが、周りの環境に大きく左右されているのも感じた。学校から帰宅後は、宿題と矯正のマウスピースを終わらせた後、ご飯にお風呂としているうちに、あっと言う間に寝る時間。今まで時間に追われた生活をして来なかった我が家にとっては、中々のハードスケジュール。親の私にとってもストレスを感じずにはいられないほど、「時間に追われている」と感じる。果たしてこれは良いのか悪いのか。

これから日本の社会の中で生きて行くことを思えば、仕方のない事、と受け入れるしかないのだろうか…?

 

フランスでも休まず学校へ通っていたけれど、ここまで「時間に追われている」と感じたことは無かった。それには以下の要因が考えられる。

‐自宅から学校まで徒歩3分だった
今は徒歩45分のため、送迎している(7:50に出発する)

‐学校が9:00‐12:00/13:30-16:30だった
朝9時スタートなので、学校に行く前に終わっていない宿題をしたり、遊んだりする時間があった。12:00~13:30は昼休みで一度帰宅して一緒にご飯を食べていた。

‐宿題は毎日ではなく、あっても30分程度で終わった(ほぼ算数のみ)
今は宿題に約1時間かかり、1時間やっても終わらないこともある…

-水曜日が休みだった
週の真ん中でお休みのため、友達と遊んだり習い事の日にしていた

‐2カ月に1回、2週間の休みがある(宿題なし)
次の長期休みは、クリスマス…!たっぷりの宿題と共に…

 

そう考えると、同じ勉強でも、子どもが疲れにくい様に考えられているのはフランスの学校の様な気がする。とにかく、日本人は働きすぎ、勉強しすぎだと思うのは私だけでしょうか…?学校に行きながら、学校以外の時間を楽しむことも、人生においてはとっても大切だと思うのですが。

我が子たちは先月から毎週水曜日にダンス教室に通っている。そうすると、帰宅が17時半頃になる。それからの「宿題→矯正→ご飯→お風呂」のルーティンが厳しすぎて、昨日のキキはグダグダだった。そりゃそうなるよね~。かと言って、ダンス教室はとても楽しい様子なので、そこを諦めるべきではないしね…。

 

世の中のお子様たちは、本当に良くやってるね。学校、宿題、習い事、塾、部活などなど…。本当に働き者だと思う。

 

学校は行った方が良いのかもしれないけど、こんなに時間に追われる生活を送ることには、とても違和感がある。子どもと遊ぶ時間、子どもが好きなことをする時間、子どもが友達と遊ぶ時間。それは、学校へ行く時間と同じくらい尊重されるべきだとも思うから、正直、どうしていいのか分からない…。

干し柿つくったー

 

復学して2週間半の様子

日本の公立学校を10月16日に再スタートしたキキとメイ。今日はその後の様子をご報告。

 

まず第一に、子ども達、本当に良く頑張ってる。算数も国語も、今まで習った事すらない様な問題に、ひたむきに向き合い、全力で取り組む。仲の良かった友達との再会、そして新しい友達との出会い。初めてのマラソン大会、英語・音楽・理科・体育。

楽しい教科もあれば、苦手な教科もある。好きな友達もいれば、苦手な友達もいる。それでも、毎日頑張って学校に通っている姿には、本当に成長を感じる。嫌な事も我慢できるようになったんだな、と。

 

キキは、「学校楽しい?」と聞かれると、必ず「うん、楽しい」と答える。クラスでキキを手伝ってくれる友達がいたり、放課後も友達との交流があったりと、本当に友達に支えられていると思う。だから、「〇〇ちゃんと遊ぶ約束したいから、やっぱり明日も学校行く」と、初めて聞いたセリフには、母、感動。

やっぱり、学校って友達に会いに行く場所であって欲しい。先生は面倒くさいけど、授業はつまんないけど、友達に会いたいから行く、それって良いよね!高学年になって、女子特有のイザコザがあったりするみたいけど、これからの人生、そーゆーのに巻き込まれることもあるだろうから、今経験して、上手く切り抜ける術を身に着けるのも必要なのかな。

 

メイは、特別仲の良い友達が元々いない。それは、誰とでも仲良く遊べるって事でもあるし、私たち親が、メイの同級生の親とあまり交流が無いのも理由の1つだったりする。それでも、近所で同じハーフの女の子と、今年は同じクラスになり、教室でも一緒に行動することが増えた様子。「〇〇ちゃんと金曜日遊べる?」と聞いて来るようになった。今まで、自分から同級生の友達と遊びたいと聞いてきたことがないので、これもまた、母にとっては嬉しい。

「明日学校休みたい」「学校あと何日で終わるの」とたまに聞いて来るけど、それでも、毎日ちゃんと宿題をやって、ランドセルを背負って登校する姿に、これまた成長を感じる。

 

学校は、つまらない場所かもしれない。勉強も面白くないかもしれない。でも、会いたい友達がいるって、何て素晴らしい事でしょう。こればっかりは、親の私達が代わりになる事は出来ないからね。

好きな友達は多ければ多いほどが良い!男女問わず、年齢問わず。学校はそんな友達に出会える場所の1つだからね。有効活用できるなら、した方が良いね。

 

1カ月お試し復学の約束は、残り2週間。それで学校をやめてしまうのは、少しもったいない様な気がして来た。行けるなら行った方がきっと良い。勉強のためじゃなく、好きな友達に出会うために!

 

母はドキドキしながら毎日見送り、出迎える。今日も楽しく過ごせて良かったって。

f:id:freemyself:20231101092547j:image

1週間のホームスクール生活

山々の頭に雪が降り積もり、白い山と紅葉と青空のコントラストが美しく、何度見ても心を洗われる景色。こんなに自然を身近に感じながら暮らせる幸せを感じつつ、やっぱりこの街も好きなんだな〜と改めて実感する今日この頃です。

 

f:id:freemyself:20231023081700j:image

 

10/5に学校に復学の手続きをしに行った。そして10/16から登校して欲しいと言われた。学校の手続きってそんな時間かからないでしょ、と思いながらも、音楽会が近いとかで、今来られたら困るんだろうな〜と思った。まぁ、そんな扱いは慣れているので、別に良いんだけど。教頭先生も去年から変わってしまってて、ぎこちない話し合いだった。迷惑を掛けたい訳ではないんだけど、迷惑だと思われているんだろうな。

 

そんな訳で、先々週は1週間ぽっかりと空いてしまった。マリ君もいないし、子どもと3人、折角なので本格的にホームスクールをやってみる事にした。復学する前のちょうど良い準備期間てとこだ。

朝起きて8:30〜9:00頃に勉強を始める。やるのは1日に3教科。国語•算数•フランス語。国語も算数も、念のため2学年下げた所から始めた。

 

1週間のウチにメイは1年生の漢字を修了した。キキは計算問題は得意だけど、文章問題に苦戦しならがらも、少しずつ進めて行く。分からないところだけ教えて、後は本人たちに任せていたので、私もつきっきりでいる必要もなく、その間に家事を終わらせる事もできた。

 

思っていた以上にちゃんと出来たホームスクール。これなら、もし学校に行かない選択をしても大丈夫かも、そう思った。もちろん、難しすぎて嫌になる事もあるけど、そんな時は息抜きして。

 

3年生と5年生になった娘たち。子ども達は日々成長していて、家でもちゃんと勉強が出来る様になった。2年前には想像も出来なかった成長ぶりだ。

キキは、勉強の大切さに気づき始めている。メイは、そんなキキに引っ張られて一緒にやる。

いつか、あの時勉強しといて良かったと思える日が来るよね。

 



9月20日 帰国。期待と不安。

ご無沙汰しております。
先月末、無事に日本へ帰国しました。帰国してちょうど一カ月。バタバタと慌ただしく毎日が過ぎて行き、ようやくブログを書ける程度に落ち着きを取り戻して来たので、この辺で軽く経過を書きたいと思います。

帰国直後はスーパーに並ぶ商品のプラスチックの量と添加物の多さに逆カルチャーショックを受けた。この国での生活がまた始まる。それは、フランスへ行った時に感じたものと少し似ていた。期待と不安。

期待と言ってもそれは、自分の家に住めることや、畑や田んぼを再開できることの喜び。家族や親しい友人たちとの再会。どちらかと言えば、社会に対する不安の方が大きかったかもしれない。日本の社会の中での暮らしがまた始まる。それはある意味大きなプレッシャーとなって私に伸し掛かっていた。学校・ママ友・近所づきあい。大丈夫かな?上手くやっていけるかな?帰国前、そんな不安がグルグルと渦巻いていた。

 

自宅に帰って1週間もしないうち、マリ君が3週間の出張へ行ってしまったので、私と子どもたちは慣れない生活の中、何とか3人でリズムを取り戻していった。そして今週の月曜から子どもたちは学校へ復学した。

日本の学校へ復学することは帰国前から家族で話し合って決めていた。1カ月通ってみて、行くか行かないか判断しよう。そう言う約束で。子ども達もまた、期待と不安でいっぱいだった。友達との再会への喜びや給食をまた食べたいと言う気持ち。と同時に、漢字大丈夫かな?授業分かるかな?と言った勉強面への不安。

私は私で、日本の学校と言う日本社会の縮図の中で、我が子たちは上手くやっていけるのか?そしてまた、それが果たして子ども達にとっていい影響を与えるものなのか?そんな自問自答を続けながらも、最終的に判断するのも努力するのも子ども達だと自分に言い聞かせた。



月曜日から通い始めて5日目。思ったよりも楽しんでいる様子だった。フランスでは学校が週4日だったので、日本でも週に1日はお休みしてもいいかなと思っていた。昨日はさすがに疲れた様子だったし、眼科へ行く予定もあったので「木曜は学校お休みしよう」と提案したが、キキもメイも「図工の授業には出たいから5・6時間目は行く!」と言って、午後から出席した。

つまらない授業もあるけど、楽しい授業もある。楽しい授業を受ける喜びが、つまらない授業を受ける苦痛を上回れば、苦難だって乗り越えられるものだ。人生てそんなもんだよね。それが分かって、上手く自分で切り替えられるようになれば、生きるのがもっと楽になるかもしれない。

 

そんな事を思いつつ、1週間無事に過ごせたことに安堵。5年生のキキのクラスは、去年まで40人いたので2クラスあったが、今年は35人しかいないらしく、1クラスになっていた。35人は多いと思うけど、今まで同じクラスになった事がない子達と一緒になれたことは、キキにとっては嬉しい事の様だ。

メイのクラスはギリギリ40人を超えていて、2クラスある。去年までは仲のいい友達と違うクラスだったけど、今年は同じクラスになっていて、メイは嬉しそうだった。

 

宿題が難しすぎてぐちゃぐちゃに丸めてしまったプリント。みんなと同じようにやりたいのに出来ない。そんな葛藤がキキに見えた。「宿題は、キキがやりたいなら教えてあげるから一緒にやろう。でも、キキがやりたくないなら、やらなくていいと思う。先生に何か言われたらママが説明する。」そう伝えたら、「今日はやらない」と答えた。

キキの学年の算数は今、「約分・通分」を勉強している。今まで教えてもらったこともない勉強が突然「宿題」として出される至難。それでも、月・火・水と、帰宅後すぐに「ママ教えて」と宿題を広げ、1時間を優に費やした。それでも、全部の宿題は終わらない。宿題は18時までと決めて、それ以降終わらなかったのは、やらなくていいよと言った。頑張りすぎてキキが壊れてしまうと思った。

 

まだ帰国して1カ月。復学して5日。焦らず、のんびり、自分たちのペースを守って続ける事が重要なように思える。頑張りすぎてしまうキキの代わりにブレーキをかけて、「今日は疲れた」と教えてくれるメイの言葉に耳を傾けて。

 

それぞれが、思うところがありながらも、毎日前に進んでいく。フランスで1年学校へ通った経験は、キキとメイにとって大きな自信となり、挑戦する活力にもなっている様に思う。

子ども達は素直なので、きっと「1カ月は続ける約束」を従順に守ると思う。1カ月は苦しくても頑張る。子ども達が挑戦したいと思う限り、その苦しさが出来る限り苦しくならない様に、私はサポートしてあげたいと思う。

 

果たしてこれからどうなるのでしょうか?相変わらずの期待と不安を胸に、今は出来る事を1つずつやっていこうと思う。